内需は期待できないし

トヨタ自動車は28日、2週間ぶりに部分的に車両の組み立て生産を再開したが、東日本大震災の影響で全車種の部品調達のめどは依然、十分に立っていない。福島第1原発事故の長期化も相まって、衝撃度は「リーマン・ショックなんて目じゃない」(トヨタ幹部)という声も漏れ始め、非常事態の底深さを測りかねている。
 生産を再開したのは堤工場(愛知県豊田市)とトヨタ自動車九州宮田工場(福岡県宮若市)で、生産車種は「プリウス」と高級車ブランドレクサスの「CT200h」「HS250h」。ハイブリッド車種の国内外の需要の高さを優先した判断だが、30日にはいったん生産を停止して様子をみる。
 トヨタ幹部の一人は「(部品不足は)やってみないと分からないところがある。試験操業だよ」と説明。この3車種が国内生産に占める割合は2月で約7%。再開された生産ペースも通常の約半分程度にとどまりそうだ。